医療法人 順桜会 桜台マタニティクリニック

vol.9 男女の割合

院長からの一言

物事が無事に終了することを「とどこおりなく」とか「つつがなく」などと言いますが、この使い分け皆さんご存じでしょうか?本当のことは未確認ですが、私が順天堂の学長から教わったことをご紹介します。「つつがなく」と言う言葉の語源は江戸時代に逆のぼります。江戸時代「ツツガムシ病」という感染症が大流行し、死者も多数出たそうです。怖い病気なので、当時庶民の間では「ツツガムシ病にかかってないですか?」という挨拶もあったほどだそうです。つまり、「つつがなく」は「ツツガムシ病にかかることもなく無事に過ごせています」の意味がその語源だそうです。一方「とどこおりなく」という言葉は「何か障害が起こることが予測されていたが、どうにか無事に終了しました」と言う意味だそうで、特別な心配がないことが前提の場合は「つつがなく」という言葉の方が良いのだそうです。最初にこの話を聞いた時はこんな言葉の語源にも医学的なことが関与しているのかと思った次第です。皆さんのお産も「つつがなく」進行し、無事に元気な赤ちゃんをご出産されるようにスタッフ一同心がけていますので、宜しくお願いします。

男女の割合

先日患者様のお父様から「先生!男の子と女の子はどちらが多く産まれるのですか?」と聞かれました。産まれる赤ちゃんの数は男の子も女の子も同じと思っていらっしゃる方多いのではないでしょうか?実は男の子の方が多く生まれています。当院でも平成22年は男の子241名,
女の子214名、平成23年は男の子238名、女の子225名、平成24年は男の子260名,女の子198名と毎年僅かですが男の子の方が多く生まれています。そもそも男の子と女の子はどのように決まるか?人間の性は46番目染色体で決まっています。XXなら女の子、XYなら男の子になります。女性はX染色体しかもっていませんので、男女を決めているのは男性の精子になります。受精の時にX染色体をもっている精子が受精すれば女の子になり、Y染色体をもっている精子が受精すれば男の子になるわけです。このY染色体をもった精子が受精すると男性ホルモンが受精卵の中で生産され、そのホルモンの影響を赤ちゃんの体が出来上がるごくごく初期に受けると性器が男性になっていきます。ところが、この男性ホルモンがこないと人間の性器は女性になっていきます。つまり女性ホルモンが性器を女性にしているのではなく、男性ホルモンが女性になろうとする性器を男性に変えているのです。したがって病気の中には染色体は男性で男性ホルモンが受精卵の中で生産されているのにも関わらず、性器の基になる組織にそのホルモンの受容体(受け皿)が出来そこなってしまったがために、染色体が男性にも関わらず性器が男性になれず女性へとなっていく病気もあるくらいです。このように男女の形成は精子に影響を受けているわけですが、X染色体をもった精子かY染色体をもった精子かは、その重さにほんのわずかな差があるだけなので通常分けることは困難です。したがって、特殊な処理を精子に行わない限り、理論上男女の産み分けなどとはありえないという話になるわけです。産み分けゼリーなどは残念ですが、効果は理論上ありません。

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