医療法人 順桜会 桜台マタニティクリニック

vol.18 赤ちゃんの血液型

院長からの一言

今日は肩こりについてお話をします。肩こりで悩んでいる方多いのではないでしょうか?最近は何でもコンピュータの時代ですので、なおさら肩こりの人が多いと聞いています。このためか、町中では接骨院やマッサージ屋さんが、コンビニ並みに見かけますよね。私も例外なく酷い肩こり持ちです。私の場合、原因ははっきりしていまして、一つは猫背の姿勢!肩こりは背中にある僧帽筋という大きな筋肉の緊張が一番の原因の人が多いようですが、猫背だとこの筋肉が常に前側に引っ張られているので、肩こりが酷くなりやすくなります。もう一つの理由が超音波検査!胎児ドックを受けていただいた方はご存じと思いますが、超音波は真っ暗な部屋で画面を集中して15~20分見ていきます。私の場合、これを月に約90~100名の方にしていますから、月1,500分前後つまり、暗闇の中でほぼ瞬きもせず、毎月25時間テレビを見ている計算になります。それ以外でも通常の外来でも超音波は見ているわけですから、月にとんでもない時間画面を見続けている計算になります。したがって、私だけでなく、超音波を専門にしている医師や検査技師は肩こり持ちが大変多いです。「超音波検査者のための肩こり予防体操」なんて本も出ている位です。そういうことで、私も肩こりは職業病とあきらめ、なるべくジム通いをして肩を動かし、月に3~4回お気に入りのおじさんのいるマッサージ屋さんに通っております。何か良い改善策ご存じの方いましたら、ぜひ教えて下さいね。

サクマタ産科ワンポイント解説―赤ちゃんの血液型

赤ちゃんの血液型は気になるお母さん多いのではないでしょうか?「へその緒の血液からもしくは産まれた赤ちゃんから調べてもらえますか?」と時々聞かれることがありますが、当院ではあまり出生直後に赤ちゃんの血液型を調べることはお勧めしていません。それは赤ちゃんの血液中の赤血球に秘密があります。血液型は血液の中で酸素を運ぶ役割をしている赤血球のヘモグロビンの表面についている糖鎖の違いで違いが出てきます。実はこのヘモグロビンは胎児期のものと私たちの血液のものとは若干違いがあります。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時は胎盤を介してお母さんから酸素をもらっているので、大変少ない酸素濃度で生きています(だいたい私たちの60~70%程度の酸素濃度です)。したがって、胎児期は少ない酸素をより有効に運ぶため、酸素と大変くっつき易いヘモグロビンで赤血球は作られています。しかし、産まれると赤ちゃんは肺で呼吸を始めるので、お腹の中にいるときと違って沢山の酸素が血液中に入ってくることになります。このため、今まで胎児期で使っていたヘモグロビンはいらなくなるので、それを壊して私たちのヘモグロビンと同じ形のヘモグロビンで赤血球を作り変えてきます。このヘモグロビンが壊れたことによってできるのが黄疸の原因になるビリルビンです。だから新生児期はどんな赤ちゃんも程度に差はあれビリルビンが上昇して黄疸が出てくるようになるのです。この胎児期のヘモグロビンは私たちの血液で使っている血液型の試薬に対してやや違った反応をしてしまうことがあるので、生まれたばかりの赤ちゃんの血液で血液型を調べると間違った判定をされてしまうことがあります。したがって、どうしても赤ちゃんの血液型を知りたい場合は産まれて3ヵ月以上たって調べることをお勧めしていますので、知りたい人はその頃に小児科の先生にお願いをしてみて下さい。ただし、早く知っておく必要は医学的には全くありませんので、気にならなければ焦って調べる必要もありません。

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