vol.4 妊娠中の旅行について
院長からの一言
満月の日にはお産が多いと言いますが、皆さんはどう思われますか?当院の看護室のカレンダーには月の満ち欠けが載っています。そんなことを言うと、「やはり関係があるのか」とお思いになるかと思われます。確かに不思議とお産の人は固まって入院されてきます。1日に4~5人も産まれる日もあれば3~4日も誰も産まれない日もあります。でも残念ながらそれは月とは関係はありません。これは人間が高等動物だからと思います。ネズミなどは受精した時よりほぼずれがなく分娩の日は決まってきます。だからその日陣痛が来たのは何らかの誘因があると思いますが、それが月の満ち欠けと言った単純な事では説明できないと言ったところでしょうか。ですから今でも陣痛が来る日を予測する研究をしている先生はいます。妊娠後半にお願いしている胎動表も正確につけると分娩の日がわかるという説もあります。これがわかれば皆さんも嬉しいでしょうし、何よりも私自身が嬉しい話です。そんな日が早く来ると良いですね。
妊娠中の旅行について
今後GWや夏休みとご旅行を計画する機会が多くなるかと思います。そこで、今回は旅行の計画の立て方について当院の考え方をお話させていただきます。旅行を計画する基本は①妊娠16週以前、34週以降はなるべく避ける:妊娠の安定した時期に計画して下さい。お腹の張りやすくなる34週以降も遠出はお勧めしません。②無理な計画をたてない:長時間の歩行や転倒など危険がある場所に行くことはお勧めしません。いつでも計画変更ができるゆとりのある計画を立てて下さい。③外国旅行はなるべく避ける:妊娠中はエコノミークラス症候群や感染症の危険が高くなることを忘れてはいけません。したがって、国内の短時間の飛行機は問題ありませんが、外国旅行のように長時間飛行機に乗り、色々な国の人が狭い空間の中で長時間過ごすことは勧められません。また、外国旅行は日程も変更しにくく、途中で帰国したり、延泊したりすることも難しいことが多いと思います。出先で何かあった時も日本の医師のように丁寧な診療をしてくれない国も多く、また何かあっても日本に問い合わせてくれるような親切な対応は期待できません。④温泉はなるべく誰かと一緒に!:温泉は入っても問題ないですが、長湯などすると気分不快を起こすこともありますので、できれば誰かと一緒に入浴し、入浴前後は水分を十分取って下さい。また、刺激の強い温泉では上がる前に良く流して皮膚の刺激を減らすようにしましょう。
以上を参考に旅行の計画をされて下さい。なお、ご旅行の時は母子手帳を必ず持参して下さい。